某市職員の引継ノート

後輩に引き継ぎたい事項を記載したものです。

寺田友子「<判例研究>栃木県・エコシティ宇都宮住民訴訟」

寺田友子「<判例研究>栃木県・エコシティ宇都宮住民訴訟」(宇都宮地方裁判所平成28年3月23日判決),桃山学院大学法学会編『桃山法学 = St. Andrew's University law review』,26巻,2017年3月,pp.227-252

県がした国への国庫補助金相当額の返還が違法な支出であるとして、知事に対し、損害賠償を請求するよう提起された住民訴訟に係る宇都宮地裁判決の研究。

地裁では知事への損害賠償請求が認められ、その後、高裁では認められなかったもの。

筆者は、補助金適正化「法22条は間接補助に適用されない、という事実を知事が認識していなければならなかったのか否かが、ポイントである」として、「行政執行の責任者として県知事は、2億の公金支出の根拠となる法律等を十分に理解していなければならない」と考え、「本判決は、知事は支出の法的根拠を十分に検討する機会と時間があったにもかかわらず、検討した事実が認められないことに、過失の根拠を求めているのである。妥当である。」としている。

この点、担当の関東農政局担当者も法22条の適用があると県担当者に説明していたこと等を踏まえれば、知事の責任を求めるのは酷な印象を受け、バイオマス事業と知事との関係性も取り沙汰されていたようなので、その辺の事情も少なからぬ影響があったのではなかろうかと邪推してしまう。